テルマエ・ロマエⅡ

バナナは種が無いと思ってるへ、あるいは、戦国自衛隊とか好きな人へ

  • ISBN(13桁)/9784047267701
  • 作者/ヤマザキマリ
  • 私的分類/マンガ(笑えるやつ)
  • 作中の好きなセリフ/

金精様じゃ〜ッ!!


テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)(←同作品を扱う他ブログへ)


【私的概略】
 主人公ルシウスは、最盛期のローマ帝国の住人。職業は建築家。現代日本(の風呂)とローマ帝国の間を、時空を越えて行き来する人物です。
 東北の原始的な温泉にタイムスリップして「こんせい様」と間違えられたり、日本のウォータースライダーをローマ帝国に持ち込んで大当たりを取ったりと大活躍です。彼が現代日本から導入した風呂は、皇帝の寿命を延ばし、皇帝の跡継ぎの名声を高め、平凡な風呂建築家だったはずのルシウスは、いつの間にやらローマの皇帝支配を(風呂から)支えるほどの重要人物になっていました。
 


【感想】
 前巻に続いて面白いです。前巻を読んだ時、奇抜で面白い内容だったので「次巻を作るのは難しいんじゃないか」と思ってましたけど、わりとアッサリ出ました。さすがは、大賞獲ったマンガの次巻です。


 今回は、のっけから「こんせい様」です。「こんせい様」とは男性器を象徴する大きな岩などのことで、拝んで子孫繁栄なんかを祈る信心が、日本には昔から存在します。そんな、読み手を選ぶようなストレートなテーマなのは、売上げ的にどうかと思いますが、私的にはアリです。ただ、電車の中で読むのは多少恥ずかしいです。


 内容的には、前回から大きな脱線はありませんが(こんせい様くらいです)、読んでいて、だんだんルシウスに哀愁が漂ってきたような気がします。
 哀愁の原因は、彼の生真面目さ。ローマのために仕事に打ち込みすぎて嫁さんに逃げられ、風呂場でマナーの悪い強面の外国人に我慢ならずに注意して殴られたり。外国人への注意がふるってます。「自由にしていいのはローマ人としての誇りと尊厳を心から持つ者のみ!」ごもっとも。「自由」と言うのは好き勝手にして良いという意味ではない。しかし、そんな直球に注意しなくても、も少し他のやり方は無いものか、と。結局殴られて気を失ってるんだから。


 巻末に、ルシウスの得意先である皇帝と対立する立場にある「元老院」の刺客と思しき人物も登場して、あやうしルシウス「続編お楽しみに」的メッセージもあって、三巻でストーリーが新たに展開していく予感が漂います。展開しても風呂とのつながりは二巻と同じくらい密接であって欲しいと思いました。



【私的評価】
電車の中で気軽に読めるか…4/5点(こんせい様の部分は他の乗客に見られないように)
読後に何かが残った感じがするか…1/5点(読後感の良さ、くらいですか)
繰り返し読めるか…3/5点(数回読めます)
総合…4/5点(こんせい様が面白かったです)