比叡山延暦寺(京都府京都市)


【特徴】
京都を鎮護する大霊場
【住所】
滋賀県大津市坂本本町4220
【日付】
2010年8月
【駐車場】
有り・東塔、西塔、横川それぞれ100台くらいか
【遊具】
無し
【トイレ】
各所にあり



【レポート】
 比叡山延暦寺は天下の霊場です。比叡山ドライブウェイが寺域の真ん中を堂々と突き抜けている現代ですが、数年前、夜にドライブウェイを走った叔父夫婦が、何やら白いものが漂っているのに遭遇して恐怖した経験があるとのこと。


 さすがに、昼間はそんな気配はありません。京都市街地から車で約40分。北白川別当町交差点から西に折れ、山中に分け入ります。やや細めではありますが、常にセンターラインがひかれている道路が続きます。京都と滋賀県を結ぶ重要な道路のためか、対向車も結構来ます。レンタカーながら三菱コルトで運転したためかか、苦労はしませんでした。セドリックとか借りてたら、多少難儀だったかもしれません。
 また、ウネウネとした道路が続くので、同乗者は車酔いに気をつけましょう。娘がやられました。


 延暦寺は大まかに見て、東塔、西塔、横川という3エリアに分かれます。根本中堂を抱える東塔、味わいのある施設が山中に揃う西塔、鬼の姿になって疫病を追い払った元三大師の横川。いずれも甲乙付けがたいエリアです。どのエリアにも入り口に駐車場があって訪問するのに困りません。


 まずは東塔で根本中堂に参拝を。
 根本中堂。2歳の子供を連れていたので、私は子供と一緒に外で待っていました。
 中には、延暦寺創設依頼の「不滅の法灯」なる火があるそうです。

 上の写真は文殊楼から根本中堂を見下ろした一枚。

 根本中堂から文殊楼へ。途中、下に延暦寺会館が見えます。

 延暦寺会館では、落ち着いたお食事がいただけます。(多分)宿泊もやってました。落ち着いたお食事がいただける場所で出される落ち着いたお食事だけあって、相応に(昼食としては)やや高めの値段帯のようです。子供3人連れて落ち着いた食事をする気はなかったので私には関係無い場所でした。


 ちなみに、延暦寺境内で食事ができる場所は限られています。
 横川には無し。
 東塔では、駐車場付近の茶店風の場所。延暦寺会館。他には「一隅を照らす会館」地下の蕎麦屋さんですね。
 私たち家族も、この蕎麦屋さんに入りました。中はきれいで、窓際からは木立の向こうに琵琶湖が見えます。味はそこそこ。昼食として妥当なお値段。サービスはやや平均以下(店員さんは頑張ってますが、来客数に比べて人手不足です)。ざる蕎麦が無難です。暑い日だったので、子供たちもペロリといただきました。他に食べる場所が少ないので、1時過ぎに店に入っても、テーブルは8,9割が埋まってました。


 それはさておき、文殊楼。慈覚大師円仁によって建てられました。

 中は狭くて急な階段になっていて、階段を上りきったところに知恵を司る仏様が。2歳児の末っ子にはとても上れない急階段ですが、「拝めば知恵がつく」と言われれば、子供かついででも連れて行きます。この不景気な御時世、それが親というもの。柱や手すりに頭やヒジをゴツゴツぶつけながら子供を抱いて這い上がり、拝ませました。


 文殊楼の周囲。

 上の写真は、なにやら中国大陸風(上の竜と、下の亀の存在は、モンゴルで拝観したラマ教寺院な印象も)な感じで、境内では目立ちます。最近立てたもののようです。よく見ると、張保皐(ちょうほこう)なる人物の顕彰碑とあります。落ち着きの無い子供のせいでジックリ見られなかったのですが。張保皐朝鮮半島の英雄で、慈覚大師円仁の中国留学を支えた恩人だったとあります。


 昼食とって、気付けば東塔に2時間以上いました。横川に向かいます。
 横川の入り口。

 東塔で買った入場チケットが使えます。


 横川は弁天様が祀ってあったり、なんとか言う井戸があったり、溝を流れる水がきれいだったり、水のエリアな雰囲気です。心なしか他より涼しい気がします。


 横川中堂。


 横川中堂の前に、地獄極楽を書いた看板がありました。
 閻魔様が地獄行き、極楽行きを振り分けて、地獄に行ったら焼かれたり、針に刺されたり、極楽に行ったら素敵な感じ。最近、枝葉末節な「新しい解釈」とやらが多くなって、こういう分かり易いの見ないですね。この看板の前で、幼児返りやら反抗期やらでどうにも手に負えない4歳の次女を相手に説教すること10分。「良い子になるって仏様にお約束してくる」と横川中堂に駆けていきました。
 お約束は1週間ほどで9割忘れられましたが、1週間近くもったのは大した効果だと思います。
 さすが比叡山。天下の霊場です。


 横川中堂から、元三大師堂へ

 不覚にも、元三大師堂の写真を撮り損ねました。
 元三大師は平安時代の人物。厄除け大師として民間信仰があります。
 怖い鬼の絵の護符が売っています。角大師の絵です。伝説で、元三大師が鬼の姿と化して疫病を追い払ったとのことで、その時の姿が護符に描かれているそうです。玄関先に張ると、疫病が入ってこないという信仰があります。デザインとしてみても秀逸です。比叡山に行ったら、横川で護符をいただくことをお勧めします。


 西塔には行けませんでしたが、夕方になり、子供たちも疲れてきたようなので帰りました。
 8月16日の平日。観光客でいっぱい、というほどの人出ではありませんでした。
 気温も、日向は低地並みの暑さでしたが、曇ったり、木の陰に入ったりすると、確かに涼しかったです。
 山中といえども夏場はこまめな給水が必須ですが、子供たちに結構な運動量のハイキングをさせることになるのも○。8歳、4歳、2歳の子供たちですが、後半はグダグタ言いながらも最後まで歩ききりました。帰りの車中で爆睡です。延暦寺は公共交通機関でも充分に来れるのですが、こういうことを考えるとレンタカーで来るのが良いでしょう。



【評価】
アクセス:4/5点(やや遠いです)
散歩に向いているか:5/5点(山のハイキング的な気持ち良さ)
子供と遊べるか:3/5点(小さい子供には少し大変か)
総合評価:4/5点(広大な道場に霊気が満ちていますね)


【他サイトでの紹介】
延暦寺地図
各堂塔の場所を書いた地図というのが、案外見つけ難いです。この地図は良いです。