ホルモー六景

京都(特に今出川から北)を愛する人へ、あるいは、鴨川ホルモーを読んだ人へ

  • ISBN(13桁)/9784048738149
  • 作者/万城目学
  • 私的分類/娯楽小説(短編)・面白い話
  • 作中の好きなセリフ/

このごろ都にはやるもの、
恋文、凡ちゃん、二人静


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【私的概略】
 万城目学の代表作「鴨川ホルモー」の続編。
 6つの短編から成ります。どれも、前作「鴨川ホルモー」のストーリーと絡み、かつ、各短編がそれぞれ交差します。


1.鴨川(小)ホルモー
 京都産業大学玄武組の話
2.ローマ風の休日
 凡ちゃんが安倍に告白する前、夏休みのバイトの話
3.もっちゃん
 「安倍」の友人、「もっちゃん」の話
4.同志社大学黄竜
 新チーム結成なるか
5.丸の内サミット
 同窓会(ネタばれにならないよう、あまり書けません)
6.長持の恋
 立命館白虎隊。芦屋に全滅させられて「ホルモー」と叫んでしまった代償は



【感想】
 「鴨川ホルモー」を読んでから本作を読んだ方が、数倍面白いです。
 前作と同じく、先が気になって止められないタイプの内容なので、あまり書けませんが、「あぁ、あのときこんなことがあったのね」と思いながら読むような感じです。


 個人的には、「ローマ風の休日」が、本家「ローマの休日」の名場面をパロディしてるところで、唸ってしまいますね。なるほど、あの名所を、そんな風に使うのか、と、作者の発想に脱帽です。
 「同志社大学黄竜陣」明治時代に英語で書かれたジョーへの手紙を読んだ主人公の、頓珍漢過ぎる解釈が歴史好きの私には逆に新鮮。これだけズレた解釈をされると、いっそ清々しいです。
 あと、「長持の恋」はシンミリします。私はオッサンですが、それでもこういうのに弱い。


 北山から鴨川沿いのエリアが折に触れ登場しますが、この辺りに縁のある私は、それもまた良かったです。



【私的評価】
電車の中で気軽に読めるか…5/5点(気軽に読めます)
読後に何かが残った感じがするか…3/5点(楽しかった)
繰り返し読めるか…3/5点(間を空ければ)
総合…4/5点(前作「鴨川ホルモー」と併せて4点)


ホルモー六景
ホルモー六景
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万城目 学
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