岩の原葡萄園(新潟県上越市)
【特徴】
明治から続くワイン醸造所
【住所】
新潟県上越市大字北方1223番地
【日付】
2010年5月
【駐車場】
3,40台
【遊具】
無し
【トイレ】
きれい
【レポート】
岩の原葡萄園は、明治時代に拓かれました。拓いたのは、地元の富豪、川上善兵衛です。小作農家に対しては副業収入の提供を、国家に対しては殖産興業(葡萄の海外輸入削減)を目指し、自分の庭をつぶして葡萄園に変えました。奇岩銘石の庭だったことから「岩の原」という名が付きました。
善兵衛は、私財を投げ打って葡萄とワインを研究し、マスカットベーリーA・ブラッククイーンなど、現在も国産ワインの原料となっている品種を開発し、「日本ワインの父」と呼ばれています。
サントリーワインや、山梨のワインも、川上善兵衛の影響を強く受けています。
信越国境の妙高市から車で1時間ほど、上越の田園地帯を走ると、山の麓に岩の原葡萄園の看板が現れます。
下の写真の通り、メインの施設は駐車場を囲むように並んでいます。
売店(ワインショップ)にいきなり入るのは節操が無いので、我慢してまずは貯蔵施設を見学します。
まずは雪室、入ると、冬の間蓄えられた雪の大雪塊に圧倒されます。訪れた日は割と暖かな日だったのですが、内部は肌寒くヒンヤリしています。善兵衛がワイン作りを始めた初期の頃、夏の暑さが原因で失敗しました。そこで高田地方特有の大雪を夏まで蓄え、その冷気を利用することで下記の低温熟成に成功しました。今も、一部のワインの熟成に利用されています(雪室熟成という名前のワインがあったと思いますが、下写真のワインがその銘柄かは分かりません)。
「なるほど、なるほど、、」と気持ちの5割はワインショップに行きつつも、さらに我慢を重ねて次の石蔵へ。
現存する最古のワイン貯蔵庫、1号石蔵は非公開。
2号石蔵を見学します。
扉を開くと、中はワイン樽です。
樽が赤く染みているのは、ワインのせいでしょうか。
瓶熟成もあります。マスカットベーリーA、ブラッククイーンとあります。
雪室と通じている入口です。
今は使っていないようですが、昔はここから冷気を取り込み、ワインを熟成させました。善兵衛氏は、これらを私財を投じて作り上げたのです。新時代の幕開けを迎えた明治人らしい意気込みを感じます。
出口付近に、上越地方の年毎の降水量グラフが掲示されています。
パッと見て分かるとおり、年によって降水量は大きく異なります。こんなところで葡萄を育てるのは大変でしょうね。
続いてワインショップ。
無料試飲(小さなグラスで)と、有料試飲(ちゃんとしたグラスで高いワインを)とあります。
両方の試飲で一通り店内のワインを制覇して、いい気分で帰りました。
岩の原ワインのお奨めは、「深雪花」の赤。よくある国産ワインとは次元の違う、しっかりとした味。値段もお手頃、ラベルも洗練されています。
ついでに、ビンテージワイン「ヘリティジ」もお買い上げ。ちなみにヘリティジの原料も、マスカットベーリーAです。
【評価】
アクセス:5/5点(車道も太く、駐車場も入り易いです)
散歩に向いているか:4/5点(葡萄園とか、わりと広いです)
子供と遊べるか:2/5点(まぁ、お酒飲んだりするところですし)
総合評価:4/5点(観光施設としてはこぢんまりしてますが、ワイン試飲とか、おいしいです)